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パーキングエリア(連載11)


山間部を通り抜けると、再び、観光地の海岸線に出た。相変わらずの雨は降り続いていた。「もう半分以上は来ているはずだ。」交通量も多くなってきている。賑やかなドライブインの土産物屋を横目に「いつか、余裕が出来たらここへ来てみよう!」そんな風に思う余裕が出てきた。そこは、白浜の辺りだった。

(当時は、この看板ではなかった)

高速道路のサインを発見!そして、「御坊(ごぼう)」と書かれている矢印の方向へ曲る。暫く進むと「私道ではないか?」と思える程の狭い道に入ってしまった。やがてそこは、段々畑のような新興住宅街になって行った。

「こんな場所に高速道路があるのだろうか?」不安が胸を過ぎった。排水溝が、まだ完備されていないので、道路が大洪水で川になっていた。そこを、水を前輪で2つに割りながら突き進む。さらに浸水は深くなり、バイクのステップ辺りまで浸水していた。

とにかく、(バイクの)「マフラーに水が入らないように」クラッチを切りながら、アクセルスロットを多めに回した。「こんな所でトップしたら、またややこしくなる。」足が水の中に漬かるのも嫌だ。

暫くは両足を上げて運転していたが「どうせ濡れているし!」そう開き直る気持ちが湧いて来ると、つま足を水の中へ入れてみた。すると、重く引き摺る様な抵抗が、太腿の付け根に心地よく伝わってきた。

「何だか楽しい!」長時間バイクに跨っていると、あちらこちらの関節が凝り固まってしまうので、丁度良いマッサージになった。その後、何度も水中に足を突っ込んで、水飛沫を上げながら走った。「これは面白い!」水飛沫がバイクやレインコートの汚れを落としてくれる。しかし、あまり調子に乗っていると転倒する事もあろうと、適当な所で止めておいた。

子供の頃は、楽しいと思う事には後先考えずに行動した。

3歳の時だった。雨上がりに出来た大きな水溜り、勢いに任せて自転車で走り抜けると、派手に水飛沫が飛び散る事が、とても楽しかった。エスカレートすると、今度はわざと転んで見せて友達を笑わせた。

その日、母方の祖父が家に遊びに来ていた。髪の毛からつま先まで、全身ズブ濡れになった姿を見て「でかしたぞ!」と笑顔で頭を撫でてくれた。何故だか嬉しかった!しかし、小学校低学年の頃に同じ事をやって、父親にこっぴどく怒られた。その時に言われた事や怒っている表情を未だに覚えている。

以前、出演していたショーでは、バケツに水を汲んでゲストに思いっきり被せていた。人に水を掛けて喜ばれるなんて、幸せ極まりない事だった。時に、その量がとてつもなく多い時もある。気をつけていないと、感覚が麻痺してしまい、いつの間にか「このぐらいは平気だろう!」とどんどん水の量が増えて行ってしまうのだ。

自分自身は、遊びに行って濡れる事を絶対にしない。むしろ、濡れないように気を付けている。相反して、ショーを見に来るゲストの方々は、自から進んで水を被りにくる。暖かい季節の日中ならまだしも、凍えるような真冬の寒い日でも、構わず水を被りに来てくれる。

そう仕向けるのも、こちら側の演出でもあった。ショーを盛り上げる為には、誰か犠牲者が必要なのだ。「まさかやらないだろう?」をやるからウケる。

しかし、本音は「風邪を引くのではないか!」と気が気ではなかった。終わった後に、ニコニコしながら「ぬれたよ~!」と話しかけてくれる人がいると「ホッ」とする。

このようにして、勇敢なゲストのお陰でショーは毎回毎回大盛況!お客さんにはとても感謝していた。きっと、帰りの電車の中では「あの人は、何故あんなに濡れているのだろう?」と後ろ指を指され不思議がられていたに違いない。それを想像すると笑ってしまう!

話は戻り・・・大きな雨粒が顔を叩きつけて来るので、まともに目を開けられなかった。真正面を見ながら走る事はとても困難なので「住宅地をどう走ったのか?」そのコースの記憶がとても薄い。

途中途中の空き地に建てられた手書きの「高速道路」と書かれた矢印を見ながら、ターンを何度も繰り返すと、ようやく高速道路の入り口へ辿り着く事が出来た。

とても長い道のりだった。ゲートの発券械からチケットを抜き取ると、レインコートの裾を捲り上げ、ジーパンのポケットにそれを押し込んだ。そして、再びバイクを走らせた。



高速道路では、一般道よりもスピードが必要だ。しかし、悪天候の為、スピードは60Km~70Km程度に控えた。それでも顔に受ける雨は、さっきに増して痛い。タイヤを水に取られてスリップしないように最善の注意を払いながら進んだ。時折、後ろからもの凄い勢いで水しぶきを上げて車が追い抜いて行く。その度に水飛沫の餌食となった。

にわかな霧が、前方の景色全体を包んでいた。山間部を橋渡している大きな坂道は特に絶景だった。長い下り坂を走っていると、その勢いで宙に舞ってしまうようかの様な錯覚を起こす。それが、とても気持ちが良く感じていた。30分も走ると、やがてサーピスエリアのサインが見えてきた。

 

サービスエリアに辿り着くとエンジンを切った。マフラーやエンジンから水蒸気が上がっている。行き交う人達が、通りすがりついでにこちらをジロジロと見てゆく。この濡れ方では当たり前だ。ヘルメットの中にも水が侵入していた為に髪の毛が全部、頭に張り付いてデパートのマネキン人形のような髪形になっていた。

パーキングの建物の中には、お土産コーナーと隣接せに小さな食堂がある。厨房から立ち込める水蒸気が客席の窓ガラスまで真っ白に曇らせていた。

安っぽい椅子とテープルが数脚の並んでいて、壁の時計は小学校時代、教室にあった物とそっくりだった。その時計が狂っているのは時間だけではない。壁に曲がった状態で掛けられているので、12時が綺麗に天井を向いていなかった。

到着予定時刻が大幅に遅れていたので、これから世話になる会社のオフィスに連絡を入れ、現在いる場所を伝えた。連絡を終えた頃、注文した「そば」が出来上がった。カウンターまで取りに行く。

念願の、温かい「そば」をやっと食べる事が出来る。関西の「そば」や「うどん」は東京の茶色い汁と違い、白い色をしている。これがまた美味しくて今でも大好物だ。

どんぶりの中では、かき揚げの油が細かく輪を作って広がり、所々が虹色を描いていた。少し油っぽいかも知れないけれども、今は、これが食べたい!

机上の割り箸を手に取ると、湿気で柔らかくなったような感触があった。箸を2つに割ると上手く等分されずに、片側が細く、もう一方は太くなって、おまけに片側の箸に千切れ損なった木のつるのがぶら下がっていた。それを取り払い灰皿へ捨てた。暖かい「そば」は冷えた体を心から温めてくれる。唇が油っぽくなったけども、それがとても美味しく感じられたのだった!

外に出ると、灰色の雲は所々が割れ、隙間から強い光が何本も差し込んでいた。その隙間から見える赤みを帯びた空がとても綺麗で印象深い。太陽を感じるのは、今朝、船上のデッキから見た時以来の事だった。「もう少しで晴れる!」そう思った。

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