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08

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無人駅(連載8)
  
走行中、無意味に笑いが込み上げてきた時は、即、運転を中止する事にした。海岸線は障害物がない分、雨の攻撃も半端じゃなく強くなる。

やがて「日本最南端の町」と書かれたサインが見えてきた。「日本最南端」それ以上がないと思うと黄昏た気持ちになった。そこには「くじら博物館」と書かれたサインの横に、大きなくじらの模型が設置されている。しばし、道の分岐点で進行方向に迷った。サインには「太地/田辺・串本/」と2方向の矢印が記してあるけれども、その真ん中にも道があるように見えたのだ。矢印通りに、一番右方向の道を選んだ。

晴れていれば、この鯨の里にも立ち寄りたかったが、今はそんな余裕はなかった。「いつか来よう!」そう思いながらくじらを横目に道を先へと進んだ。

右手に小さな駅が見えて来た。その正面には観光案内図がある。今、自分がどの位置に居るのかを確認したかったので、停車する事にした。ちょうど、紀伊半島の最先端を大阪方面へ折り返す地点だった。そこは「JR太地」と言う駅だ。

  

駅前にバイクを止め、横の自動販売機でホットドリンクを買った。直ぐに開封しないで、まずは手を温めてから、耳や首筋などの凍えている部分に押し当ててみた。体の冷え切っている部分は、缶の熱が伝わるのに時間がかかる。後からジュワッと熱さが伝わってくるので火傷しそうな勢いだ。「しかし、田舎の自動販売機はどうしてこんなにも、缶が熱いのだろう?」いつもそんな事を思う。

駅の中に入って行くと人の気配は全くなかった。ここは無人駅だ。むしろ誰も居なくて好都合だったのかもしれない。この濡れ方では、他の人に迷惑を掛けるのと目立ってしまうのであまり人には会いたくなかった。「ここで暫く雨宿りをしよう。」 

改札を通り抜けてホームに出ると、そこは単線だったような気がする。あまり覚えていない。線路を挟んで向こう側は丘になっていて、そこは緑の木々で覆われていた。壁に貼ってある時刻表を見ると汽車は1時間に一本走るか走らないかの本数だった。そこは、小さな虫や鳥の声、雨が葉に当たる音が微かに聞こえているだだった。とても静かな駅である。

寒さで、関節や足のつま先が痛かったので、何処かへ座りたいと思い、引き返すと、衣服から滴った水で自分の歩いたコースが一目瞭然だった。泥棒だったら即、捕まるだろう!

どこを探してもベンチは見当らなかった。仕方なく駅の入り口の階段に腰を降ろしてジュースのフタを開けた。「カチッ」と高い音が辺りに鳴り響いた。さっきまで熱かった缶は既に生温くなっていた。ここに居座ってしまうといつまでもそこに居そうだったので、15分ほどでその場を後にした。


JR太地駅(無人駅)

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